【第157回定例研究会】 テーマ「水素エネルギーに関する最近のトピックス」 13:30-13:35 開会の挨拶 13:35-14:05 「太陽集熱の水素エネルギー変換プロセス」 新潟大学 研究推進機構 准教授 郷右近 展之 氏 年間直達日射量が豊富なサンベルト地域では太陽熱発電が実用化されている。日射をコレクターもしくはヘリオスタットと呼ばれる反射鏡で集光し、これをソーラーレシーバーで受光して太陽熱を発生させるのが高温太陽熱集光システムの基本原理である。本講演では、高温太陽熱集光システムの概略について紹介し、次いで、高温太陽熱を利用してソーラー水素の製造を行う技術開発の現状について紹介する。 14:05-14:35 「水素・再生可能エネルギー社会に向けた神戸市の取り組み」 (公財)神戸市産業振興財団 商業・ものづくり支援部 戦略産業担当部長 小山 優 氏 歴史ある「産業都市神戸」と未来に向けた戦略産業(航空・宇宙、環境・エネルギー、医療・健康・福祉)への取り組みについて紹介します。環境・エネルギーについては、「水素スマートシティ神戸構想」を掲げ、水素・燃料電池戦略ロードマップに基づいた環境貢献都市を目指す「環境政策」と水素産業の育成と集積を目指す「経済政策」について、その具体的な取り組みについて解説します。 14:35-15:05 「アルカリ水電解による水素製造システムの開発動向」 旭化成株式会社 クリーンエネルギープロジェクト エネルギーシステム開発部 部長 臼井 健敏 氏 旭化成では、世界トップシェアの食塩電解技術を応用し、高効率なCO2フリー水素製造用 アルカリ水電解システムの開発に成功し、世界最大の装置(2,000Nm3-H2/時/台)で、事業化ステージに移行しつつある欧州P2G市場への参入を目指している。本発表ではその背景、 検討状況、今後の展開を紹介する。 (15:05-15:20休憩) 15:20-15:50 「高効率燃料電池システム実現に向けた取り組みと将来の役割」 東京大学 大学院 新領域創成科学研究科 准教授 大友 順一郎 氏 本講演では、イオン輸送現象及び無機固体電解質の最近の材料開発の進展の紹介を通じて、固体酸化物形燃料電池を中心とした燃料電池システムへの新材料の適用可能性や低温作動にむけた最近の技術開発について概説し、現在講演者が取り組んでいるプロトン伝導性固体電解質を用いた新しい高効率燃料電池実現に向けた取り組みや、次世代燃料電池の役割とその可能性について経済的な視点も含めつつ議論する。 15:50-16:20 「液化水素運搬船の国際安全基準の策定」 川崎重工業株式会社 技術開発本部 水素チェーン開発センター HSEシステム開発室 室長 加賀谷 博昭 氏 現在、技術研究組合「CO2フリー水素サプライチェーン推進機構(HySTRA)」では、 CO2排出のない水素供給網の構築と商用化に向け、水素の製造、陸上および海上輸送、貯蔵、利用に必要な技術の確立と実証試験を進めている。この実証試験では,豪州の褐炭から製造した水素ガスを液化し,日本に長距離海上輸送を行うための液化水素運搬船の建造が計画されている。この液化水素運搬船は、これまで世界に例がないため、日豪政府間で安全基準の協議を進め、それを国際海事機関IMOに諮り暫定勧告として承認を受けるなど、国際安全基準の策定に向けた取組も進められている。本講演では、HySTRAが開発を進める液化水素運搬船の国際安全基準策定プロセスについて紹介する。 16:20-16:50 「高密度水素化物の材料科学−新学術領域 ハイドロジェノミクス への展開−」 東北大学 材料科学高等研究所/金属材料研究所 教授 折茂 慎一 氏 材料中の水素は、ほぼ中性の状態、電子を貰ったヒドリドや電子を失ったプロトンに近い状態、そして共有結合の状態、など多様な結合状態を示します。この結合自由度に注目した高密度水素化物の合成ならびに水素貯蔵機能や蓄電機能などに繋がる研究が進展しています。さらに、当該研究等に基づいて、今年度から科研費・新学術領域研究「ハイドロジェノミクス:高次水素機能による革新的材料・デバイス・反応プロセスの創成」が設置されました。講演ではこれらについてご紹介致します。 16:50-17:00 「WHTC2019について」 17:00 閉会挨拶 ※質疑応答の時間を含みます。 日時:平成30年11月5日(月曜日) 会場:日本大学 理工学部 駿河台キャンパス1号館 6階CSTホール (参加登録) |